Japan Kicking Academyの代表・丸田が「キック力とはなんだ?」を解説しています。
細かな要素はいろいろあるのですが、今回は我々が最も重要だと考えている部分をお伝えします。
以下に動画のポイントをまとめました。
Part.1 キックを構成する要素
大きく分けて2つあります。

強いキックは①アプローチで生み出したパワーと②スイングのパワーを同時に発揮させ、ボールにエネルギーを与えることで生まれます。
サッカーでいうと、かつて”悪魔の左足”として有名だった元ブラジル代表のロベルト・カルロスのフリーキックが分かりやすいイメージ。
アメフトのキックとは助走などは違いますが、アプローチで生み出したパワーをスイングでボールに伝わっていることがよく分かると思います。
Part.2 アプローチの重要性
一般的に「強くキックを蹴る」ことを考えると、「脚をいかに速く・強く振るか」ことだけにフォーカスしがちです。
しかし、それだけではなく「アプローチ」がとても重要です。
アプローチとはボールを蹴る前の助走の段階のことです。
キックだと少し分かりづらい部分もありますが、陸上競技の走り幅跳びややり投げで考えた時、大きなパワーを生み出すには、助走が必要なことが分かるかと思います。
「助走から身体全体の力をどうボールに伝えるか」がポイントです。「できるだけ全体重をボールに乗せる」という言い方もできます。
例えば体重が90kgの場合、
全体重のうち片脚の体重は約15%(13.5kg)。
・90kgをぶつけてボールを蹴ること、
・13.5kgだけで蹴るのとでは、
力の伝わり方が全く変わります。
そしてそのアプローチの力を”無理やり”ではなく、振り子のように自然に伝えることで、安定したパワーを伝えることが出来ます。

NFLのキッカーを見ると”軽く蹴って”凄く飛んでいるように見える選手がいます。
それはアプローチの力を使って、脚を自然に振っていくことで動きに無駄がないことから、そう見えているのです。
Part.3 体軸アプローチメソッド
JKAのアプローチメソッドを「体軸アプローチメソッド」と名付けました。
体軸のアプローチの流れは、
- STEP①ボールを蹴る前に身体の「軸」をつくる。
- STEP②その「軸」を倒して、体重を移動させていく。
- STEP③軸足でエネルギーを受け止める。
この3STEPでアプローチのエネルギーとスイングのエネルギーを掛け合わせる。
重要なポイントは、
ポイント①Stay Tall(背が高い状態で立つ)
→首が前に出たり、背中が丸まったり、膝が曲がったりしない。”かっこよく立つ”ことが重要。
後頭部のてっぺんから引き上げられているようなイメージ。
ポイント②身体を倒しながらステップ。
→セット時に作った「軸」を保ったまま、移動する。
ポイント③軸足を踏む時は体軸を立てる。
→いままでアプローチでつくった「体重移動のエネルギー」を軸足で受け止める。
そしてそのエネルギーを蹴り足に乗せるとボールが飛ぶ。
【参考/山﨑丈路選手のアプローチ】




おわりに
以上、簡単にポイントをお伝えしましたが、今までと少し考え方が変わったのではないでしょうか?
実際にはアプローチとスイングも要素分解していくと、(下記の画像のように)もっともっと細かな技術が沢山あり、ここを1つ1つ改善することで「キック力」が向上していきますし、これらを自分なりに追求していくことがキックの面白さでもあります。
これから1つ1つの技術に関してもお伝えしていく予定ですので、お楽しみに!!!

(文:Japan Kicking Academy櫻井)